■ 熱気と混沌の街に到着
フィリピンのマニラに行ってきた。シンガポールに行ったついでに寄ったので、1泊2日のショートステイである。そういえば、海外の一人旅は初めてである。
マニラと言えば 「東南アジアの大都市=活気と混沌」とは聞いていたが、まさにその通りだった。空港を出た瞬間からクラクションと湿気の洗礼。バイクの排気ガスと屋台の油の匂いが混ざり合い、鼻の奥がツンとする。それでも不思議と懐かしい。アジアの都市特有の“生きた匂い”があった。

■ 旧市街イントラムロスの静けさ
まずは旧市街イントラムロスを散策した。スペイン統治時代の面影が色濃く残るエリアで、石畳の道を馬車が走り、白い壁の教会が立ち並んでいる。
サン・アグスティン教会の中は外の喧噪が嘘のように静かだった。重厚な扉をくぐると、ひんやりとした空気に包まれる。宗教と歴史の重みが、空間そのものを冷やしているようだった。

■ 目を背けたくなる展示
旧市街地は徒歩で散策できるのだが、博物館ではない普通の公園に戦争時代の記録と写真が展示されていた。そこには日本では見ることができない日本人が”加害者である歴史”があった。
そのほとんど、日本軍がこの街で市民に行った加害の記録。写真や資料を前にすると、喉の奥がひりつく。観光の途中で重たい気分になるが、こうした歴史を知ることも旅の一部だと思う。

これは展示の一つをGoogle翻訳したもの。かの有名な”マニラ大虐殺”の記事は誇大表記されている部分もあるだろうが、それでも戦時中に日本の戦争加害を如実に示している。
現地の人々がどう受け止め、語り継ごうとしているのか、その空気に触れる時間だった。
■ 食べ歩き:アドボとバナナ春巻き
気を取り直して、マニラ名物の「アドボ」を食べた。
酢と醤油で煮込んだ肉料理で、想像よりもずっとまろやか。日本の角煮を南国風にしたような甘みがある。豚肉と鶏肉の両方が入っているのが面白い。ご飯と一緒に食べるのがフィリピン流のようだ。

続いて街の屋台で食べたのが「バナナの春巻き」。これは買って食べるまで何かわからなかった。デザートのようだが、揚げた皮の中に甘く煮たバナナが詰まっており、これが妙にうまい。外はカリカリ、中はねっとり。ちなみに30ペソで約100円。

ちなみに元気なおばちゃんがガンガン揚げていて、「他にもどうだ!?」と売り込みを受けたが、ボリュームがすごいのでここはバナナの春巻きだけにしておいた。
■ マンゴービールで痛風リスク上昇
ホテルに戻り冷たいビールが飲みたくなった。悩んだが、最初のビールは「飲み比べセット」を注文。地ビール中心の4種類。全体的に軽く、南国の気候にぴったりだ。
お気に入りは写真では一番手前の「Mango Nation Hazy IPA」というビール。フィリピンのクラフトビールメーカー「Engkanto Brewery」が製造しており、フィリピン産のマンゴーを使用しているという変わり種。トロピカルフルーツの風味とアロマが特徴的で、旅行気分を掻き立ててくれる。

飲み比べセットなのに、2回も注文してしまった(笑)痛風持ちとしては危険な展開である。だが旅先では理性がゆるむ。「明日から節制しよう」と言い訳しながら、マニラの夜景が胸に沁みる。
■ 甘いチキンと現地バーガー
2日目の昼は、フィリピンで他の追随を許さない、断トツの人気を誇るファーストフード店「Jollibee」へ。甘みのあるパスタが人気らしいが、あまりパスタ気分ではなかったのでチーズハンバーガーのセットを注文。

見た目は日本のマクドナルドと変わらないが・・・ハンバーガーのクオリティが違う。うまく説明できないのだが、昔、ハンバーガーの自動販売機があったのを覚えているだろうか?スケート場やビジネスホテルの中にあり、冷凍のハンバーガーを温めて出してくれる自動販売機。
あれで食べた味とそっくりだった!昔懐かしい味である。ここに来て幼少の記憶に出会えたことに感謝であるが、次回マニラに来てもこれは食べないだろうな、多分。

その後にカフェでチキンステーキを食べた。横のソースは豆を似たモノで驚くほど甘い。そしてチキン自体も甘い。照り焼きというより、砂糖とソースを混ぜたような味で、最初は戸惑うが、だんだんクセになる。食文化というのは、気候と人の気質が作るものだと実感した。南国の明るさがそのまま味になっている。
■ 犬と猫が街を歩く
街を歩いていると、犬や猫が自由に歩き回っていた。
どの子も痩せてはいるが、のびのびしている。人間と動物の間に不思議な共存の空気がある。誰も追い払わないし、誰も怯えない。信号のない交差点を渡る犬を見て「ここでは彼らも住民なんだな」と思った。

■ タクシーで東南アジア洗礼
帰り際、タクシーで軽くボラれた。
Grabで予約したかったが、どうしても捕まらず、やむ得ず流しを捕まえたことが原因だ。メーターが動いているのに「壊れてる」と言い張られ、相場の2倍を請求された。旅の教科書どおりの展開である。少し悔しいが、金額にすれば1000~1500円程度。旅の勉強料と思えば安いものだ。
■ 五感に残る街、そして尿酸値
マニラは五感に残る街だった。音、匂い、味、人の視線——どれもが強く、生きている。
歴史の痛みも、街の雑踏も、すべてがこの国の現実であり、魅力なのだと思う。
ちなみに治安の悪いニュースが日本で流れているが、昼間に人通りの多い場所ならそれほど問題はないように感じた。ただ、スリは多いようなので、人混みは注意が必要であった。
そして帰国後、数日。
案の定、尿酸値が微妙に上がっていた。旅の余韻がまだ身体の中に残っているようだ。次はもう少し長く滞在して、もう少し慎重にビールを選ぼう。
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